読売新聞の防災特集コラムに「防災記事」掲載

日本防災士会の防災士、荒屋敷武則(日公会岩手支部所属)は特集コラムの原稿依頼を受け防災対策記事が掲載されました。依頼内容は洪水時の避難方法「マイ・タイムライン」についてです。筆者はたびたび同避難方法の防災講話、ワークショップの実績があることから新聞社、防災士会より頼まれたものです。
同企画は4月から始まり盛岡地方気象台、そして今回2回目の避難計画の掲載になっています。(著作権保護のため記事掲載不可)

【当初の原稿】
本県は近年、地震や津波、台風、大雨、洪水など、多くの災害に見舞われています。ただ、水害は、地震などと比べ、決定的な違いがあることにお気づきでしょうか。
水害は、数日前から予測可能であるということです。
船舶や航空、鉄道の事業者、もっと言えば、農業や建設業関係では、日本の南の海上で台風が発生すると、今後の台風の進路、風力、気圧などを数日前から警戒し、あらかじめ対策を立てて被害を少なくなるようにします。前触れもなく突然起きる地震などでは数日前からの対策は難しいですが、気象災害は避難対策が比較的可能な自然災害とも言えます。

そこで最近注目されているのが、「マイ・タイムライン」です。水害の発生に備えて、時系列を逆算し、避難が大変になる前の状況が良いうちに準備を進める避難行動計画です。いわば、「我が家の避難対策」と呼んでもいいでしょう。
私はこれまで防災教室の講師を行ってきていますが、受講者の中には非常食などを用意しているので「対策は結構やっているほうだ」と自分で思い込んでいる人が多くいます。もちろん、これらも大事なことですが、災害時は食料を食べる前に、避難して生き残ることが最も大切です。
一人一人のリスクは同じではありません。住んでいる所が高台か平地か、浸水想定エリアなのか、建物は平屋かマンションか、家族に高齢者や乳幼児がいるかどうか……。さらに色々なリスクがあり、避難の困難さはそれぞれ違います。
気象台の注意報や警報、市町村からの避難指示などは、各家庭ごとに出されるわけではありません。自分のリスクによって避難開始時期をシミュレーション(想定)しておくことが重要です。

また、意識してほしいことは「避難完了」です。避難を終えるために、どのような準備をしたらいいのか。一人一人が事前に考えることが何よりも重要です。
今年も、大雨をもたらす梅雨の季節が間もなくやってきます。東北北部の梅雨入りは平年なら6月15日頃です。マイ・タイムラインについてさらに知りたい方はご連絡ください。
この原稿を数回の修正を加え掲載になっています。

支部だより(エリア別)
一覧ページへ
支部だより(年別)
一覧ページへ

ページのトップへ